2023/05/15 トレンド情報 セミナーから学んだ、宿泊業界の深刻な人手不足に対抗する2つのアプローチ!
今回はリネンの話とは少し違いますが、宿泊業界向けのセミナーを受講したお話です。
ホテル等の宿泊業界でどこも共通して抱えている1番の問題が人手不足だとのお話を聞き、
・深刻化する人材不足を乗り越える、最小で最大の成果を上げるDX化戦略
・宿泊業界における外国人人材の活用について
という二つのセミナーを受講してきました!
ホテルリネン資材という形では少なからず宿泊業界との繋がりはありますが、
お話を聞くまで抱えている問題がこれほどとは知らなかったので、
今後リネンサプライヤー様や、ホテル様から直接お問合せを受けた時に相談に乗れるよう、
顧客理解のためとても勉強になりました。
「DX化」と「外国人人材の活用」という、対照的な観点で解決できないか?というお話でしたので、
このブログを見てくださっている皆様も、人材不足を乗り越える手段の参考に覗いてみてください。
「深刻化する人材不足を乗り越える最小で最大の成果を上げるDX化戦略」
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語で、
「デジタルテクノロジーを活用することで、人々の生活をよりよくしよう」という取り組みです。
宿泊業界に関わらず、あらゆる分野で注目されている取り組みですが、
ホテルや旅館では、特に人手不足を補うための作業省略化に有効と感じました。
全国旅行支援や水際対策の緩和により旅行ニーズはコロナ前の水準にもどりつつあるため、
フロントやレストランの混雑・行列などがゲストからのクレームにつながりやすくなっています。
現場の細かい業務まではシステム化されていない場合が多く、
紙の帳票・口頭のコミュニケーションなど、アナログで非効率な業務が残っている事もあるため、
DX化はこれらの非効率な作業を減らす、人手不足への対抗策として勉強になりました。
事前チェックイン・セルフチェックインなどでフロント業務を無人化もしくは省人化
ホテル業務のDX化として、まずは事前チェックインの導入があります。
宿泊者が事前にチェックイン時の手続き(記名等)を済ませておくことで、
フロントでの宿泊者名簿の記入作業などを減らし、フロントの混雑解消と業務の効率化が期待できます。
(コロナ禍では非接触という点でも有効ということで導入施設が拡大しました)
レストラン・ルームサービス・貸切施設等の予約制導入
各部屋で簡単に予約できるようにタブレットを用意することで、
宿泊者様が予約状況・待ち時間の把握が可能となり、クレームを減らす事も期待できます。
また、タブレット等を活用することで、インバウント客への言語対応の心配も解消されます。
課題と展望
ホテル等の接客業では、DX化できる業務がまだまだ少なく、
予約サイトとの連携や、スタッフ用アプリ開発も必要なため、
投資コストが高い反面、劇的な省人化ができるまではまだ改善が必要な印象です。
とはいえ、ニーズが高い領域なので、これから間違いなく発展していくでしょうし、
数年後にはもっと便利で効率的なシステムが、深刻な人手不足を改善してくれるのではないでしょうか。
「宿泊業界における外国人人材の活用について」
少子高齢化が深刻化する日本では、国内の働き手だけで労働力を確保していくのは困難です。
その中でも宿泊業界は全体の80%の施設で、人手不足を課題として挙げており、
これはIT業界を含む各セクターの中でトップの割合だそうです。
その中でも、不足している職能を調べたアンケートによると、
接客業務:約90% フロント業務:約85% 調理:約80% 清掃:約80% と、
基本的にはほとんどの職能で大幅に人手が足りていない状況です。
単純に外国人材を人手不足解消のために補うといっても、
活用するためには期間や職能に制限があるため、受け入れる側にも十分な勉強が必要だと感じました。
特定技能在留資格者の活用
2019年に受け入れが解禁された外国人材を受け入れるためのビザで、「特定技能」という制度があります。
これは人手不足が深刻な12分野で、一定の専門性や技能をもつ即戦力外国人の受入れを認めたビザで、
基本的には5年間、フロント業務やベッドメイク作業のために外国人材を採用することが出来るビザです。
日本語を勉強している外国人へのアンケートで「日本で働いてみたい」外国人は60%以上おり、
その中の50%以上が「特定技能」の在留資格で働きたいと回答しているというデータがあります。
さらに、特定技能ビザの対象となる12分野の中で、宿泊業は1番人気の業種であるため、
受け入れ態勢を整備しておくことで、深刻な人手不足を解消する有効な対策となる可能性を秘めています。
ただ、宿泊業の特定技能を習得した外国人人材は4000人以上いるものの、
実際に働いているのは全国で192人と非常に少ないため、
積極的に受け入れる体制を整えることが課題とされています。
具体的な対策として、既に日本国内で就業中の特定技能取得者の方曰く、
・ホームシックでパフォーマンスが落ちてしまうため、コミュニケーションを積極的にとること
・日本語が上達するプログラムを用意するとお互いにメリットになる
・前例(ほかの外国人が)いると安心感があり、集まりやすくなる
・コミュニケーションをとるときは、笑顔でやさしく接すること
これらの環境が整っている施設では、外国人人材も長期で安心して就業しやすいとのことでした。
課題と展望
特定技能の資格取得のためには決して簡単ではない試験をクリアする必要があり、
希望者全ての方が特定技能の在留資格を取得できるわけではありません。
また、せっかく取得できたとしても、受け入れ先が無ければ双方にとって損失になります。
逆にまだ取り組みの少ない、外国人材受け入れに本気で取り組むことが出来れば、
多くの特定技能免許取得者を活かしきれていない現状を改善できるかもしれません。
ちなみに、外国人人材が日本国内で安心して暮らせるための生活サポートをしたり、
外国人人材の紹介をする会社もありますので、こうした専門会社を活用するのも良いでしょう。
以下、KUROFUNE社は弊社も出資、応援している外国人人材の紹介・生活支援事業をしている会社です。
まとめ
一方は「DX化」で省人化・無人化を図るというアプローチ、
もう一方は「外国人人材を活用」し、人手を確保するという、両極なイメージですが、
どちらも「宿泊利用者が快適に過ごす」が前提の目的であることには変わりはないと思います。
宿泊利用者として、様々な取り組みで宿泊客の満足度を上げようとしているホテルやスタッフへの感謝を、
忘れてはならないと改めて感じたセミナーでした。
弊社ではベッドメイクがしやすい業務用ひっかけシーツ等、
現場の負担を軽減するための提案を日々検討し、ご案内しています。
気になる点やご相談など、お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。