2024/01/17 製品紹介 業務用タオルの選び方
ホテルに泊まると99%のお部屋に用意されているタオルは、
ホテルのオリジナリティを出すために、ロゴの入ったジャガードタオルや、
イメージカラーに合わせたカラー物が置かれていた施設も多かったように思います。
しかし現在多くのリネンサプライヤー様においては、
資材の共通化を目下の課題として取り組まれているというお話をよく耳にします。
最近はどこのリネンサプライヤー様も人手不足が深刻化しており、
ホテル毎に仕分けるリソースの確保が難しくなっているため、
タオルに限らず積極的に資材を共通化し、少ない人手でも資材供給が滞らないよう試行錯誤されています。
タオルを共通品化することで、ホテル側としてもリネンコストが抑えられるメリットがありますが、
それでも他のホテルと差別化するためにオリジナルのタオルを導入したい。お客様の肌に触れるものだからこだわりたい。
というケースがあるというお話を耳にします。
「ホテル側のこだわりにもお応えしたい、でもリネン資材としての採算性も両立したい」
そうなると、どのようなタオルを提案するのが最適解なのか?と
思案されるケースが増えているようです。
普段何気なく使っているタオルも、風合いや耐久性をより良くするため様々な工夫がされており、
既成在庫品のタオルだけでも、様々な特徴ある商品が何種類もあります。
それらの特徴を理解しておかないと、本当に必要なスペックのタオルは見つからないため、
今回のブログでは、業務用タオルの選ぶ基準となるポイントについてご紹介したいと思います。
匁数
まず、タオルを選ぶ際に一番気にすべき点として「匁数」があります。
匁(もんめ)というのはタオルの重さを表す単位で、重い=糸を多く使っているということなので、
匁数が大きいほど重く、肉厚なタオルになります。
フェイスタオルを例にすると、
ビジネスホテルクラスでは240匁~280匁のタオルがよく使われているのですが、
使用感がいいものが選ばれるようになり、280匁以上のタオルを導入するホテルも最近は増えている印象です。
ちなみに、10匁の差は約3gでしかないため、40匁(約12g)くらいの差があれば、風合いの違いが感じられるかと思います。
弊社では、ゲストハウス・貸別荘・ビジネスホテル・高級リゾートホテルなど、幅広いお客様に対応するため、
コストと使用感のバランスを見て選べるように、20匁単位で細かくバリエーション豊かに在庫をご用意しております。
☆コラム:タオルの肉厚さを計算する☆
タオルの肉厚さの目安はタオル1枚の重さで説明されることが多いのですが
より正確に数字で理解するにはタオルの単位面積における重量を調べることもあります。
例えば同じ1200匁(1枚375g)のバスタオルであっても、
タオルサイズ(新品)が60x120cmのタオルと70x140cmのタオルでは肉厚感は全く違います。
(タオルは洗濯後に10%前後縮みますので、洗濯後の肉厚感にも変化が現れます)
この肉厚感(単位面積重量)による耐久性と乾燥効率の違いが、ランニングコストに大きく影響を与えていきます。
糸の違い
タオルに使っている糸の違いで、風合いや肌触りが全く異なりますので、
直接肌に触れるタオルにとっては非常に違いが出やすい要素になります。
糸番手
糸番手(いとばんて)は、繊維製品を作るときに使われた糸の太さを表す単位です。
番手の数が大きいほど細い糸のことを表しており、基本的に細い糸ほど高価でさらさらした風合いになります。
とはいえあまり細い糸では吸水性が落ち、タオルとして使いづらいため、
業務用のタオルに使われる糸は、16~32番手の糸が多いです。
番手のことをアルファベットの”S”で表し、「16S」のようにカタログに載っていることが多いです。
単糸と双糸と引き揃え
単糸(たんし)と双糸(そうし)は、それぞれ糸の種類のことです。
読んで字のごとく、単糸は綿繊維をよじってできた1本の糸で、
糸がふんわり柔らかい特徴があります。
双糸は2本の”単糸”をねじった1本糸のことを指し、
しっかりしたハリ感がある丈夫な糸になります。
基本的には双糸のほうが、手間と材料費がかかるためコストは高くなりますが、
単糸と比べて2倍以上丈夫な糸になるといわれるため、業務用として最も採用されるのは、双糸のタオルです。
単糸のタオルは双糸と比べて耐久性が低くなるのがネックでしたが、
選りすぐりの上質な綿繊維を使った単糸のタオルは、糸の耐久性を上げつつ柔らかい風合いとなるため、
業務用として導入されるケースも増えている印象です。
他にも引き揃え(ひきそろえ)という糸もあり、これは2本の単糸をねじらず束にして使うことを指し、
単糸と双糸の中間くらいの風合いとコストとなるため、バランスのいいタオルに仕上がります。
耐久性で選ぶのか、風合いを重視するのか、コストを下げたいのか、
どのタオルがお客様にとって最適なのかは、お客様の求めるポイントによって変わります。
単糸は”S”、双糸は”2S”、引き揃えは”//”で表現するため、
16番単糸=16S 32番双糸=32/2S 20番引き揃え=20//S でカタログには載っていることが多いです。
カラーバリエーション
業務用タオルは、基本的には清潔感と高級感が魅力の白色タオルが人気で導入数も多いため、
白であれば様々な匁数・糸番手のタオルが在庫として用意されています。
とはいえ、白は清潔感がある反面、汚れが目立ちやすく廃棄されやすい色でもあるため、
SDGsや耐久性、ランニングコストの面から、カラー物のタオルもよく選ばれています。
選ばれることが多い規格のタオルは、最大20色弱のカラーバリエーションを用意している在庫タオルもありますが、
主に選ばれるのはブラウン系、イエロー系が多いです。
特にブラウン系は高級感がありどんな部屋にもなじむため人気で、バリエーションも白の次に豊富です。
染色方法
業務用のカラータオルでは「スレン染め」と呼ばれる染色方法が一般的で、
染色堅牢度(せんしょくけんろうど)が高く、比較的色落ちしづらい染色方法です。
色を濃くするためには染料の量を多くする必要があるため、濃色のタオルほどコストが上がる特性があります。
また、染料そのものの色に染まるわけではなく、染色したタオルを空気に触れさせて初めて色が決まるため、
同じレシピで染色してもその日のコンディション次第で、色合わせが難しい染色方法でもあります。
もちろん長年の実績から色合わせは徹底しておりますが、多少の色ブレはご容赦ください。
※スレン染めとはいえ全く色落ちしないわけではありませんので、
白タオルとカラータオルを一緒に洗ってしまいますと、移染してしまう場合がありますのでご注意ください。
その他
風合いと耐久性の向上(両立)やコストカットをするために、
タオルは日夜試行錯誤が繰り返されており、様々なアイデアを盛り込んだ新商品が開発されています。
その中でもユニークな商品を一部ご紹介させていただきます。
1400匁のふわふわ今治バスマット
これまでバスマットは単に「足ふきマット」という見られ方をして、
フェイスタオルやバスタオルと比べて風合いを重要視されていなかったところがありました。
しかし直近では大人数収容できるコテージやグランピング施設が増えたこともあり、
「人が使った後の濡れたバスマットを使いたくない」というお客様のご要望が増えているようです。
マットを複数用意しておくのもいいですが、
高級感を演出する場合は、弊社の今治産高級バスマットがおすすめです。
贈答用として圧倒的な知名度の今治タオルですが、厳選された糸を使うことで業務用としての耐久性を実現し、
一般的なバスマットの倍の糸を使うことで、足の裏でもすぐわかる驚異的な風合いとなりました。
今治ブランド認証品で吸水性も抜群なので、複数人で使っても湿り気はほとんど気にならないはずです。
SDGsをお手軽にした残糸タオル
昨今ホテル業界のみならずキーワードとなっているSDGsですが、
いざSDGsに積極的に取り組むとなると、従来よりもコストがかかることが多く、
二の足を踏んでしまう施設様も多かったように思われます。
そんな中、弊社で取り扱っている残糸タオルは、読んで字のごとく余った糸を使って織りあげたタオルです。
廃棄されるはずの糸を集めてタオルに織り上げているので、資源の有効活用が出来、その分価格も抑えられています。
コストがネックになってSDGsへの取り組みが出来ていなかった施設様には、
ぜひ入り口として検討していただきたい商品です。
お一人様利用にピッタリのミニバスマット
直近ではゲストハウスやドミトリータイプのホテル、カプセルホテルなど、
限られたスペースを最大限活かして、収容人数を増やしている宿泊施設も多くなりました。
必然的にシャワースペースも最低限のスペースしかない場合も多いそうですが、
そんなお一人利用を前提とした施設にお勧めなのが、弊社のミニバスマットです。
サイズが一般的なバスマットの2/3程度ですが、人ひとり分としては十分なので、
省スペースかつ省コストなのが魅力です。
しかも小さいので一度に洗濯できる量も増え、乾燥効率も良くなるので、
ランニングコスト的にもメリットが期待できます。
まとめ
一口にタオルといっても、選ぶためにはいろいろな要素があります。
糸使いや重さなどタオルの特徴によって、宿泊者の満足度も違えば
耐久性や乾燥効率、管理コストといった採算性に大きく影響を与えていきます。
リネンサプライヤー様のお仕事はあくまで洗濯をして、リネン資材の衛生環境を整えることなので、
小難しい繊維のあれこれは弊社のような繊維のプロにお任せいただくことも一つの戦略だと思います。
弊社営業マンはお客様の商談に同席し、繊維のプロとしてサポートさせていただくこともしばしばございます。
繊維や業務用リネンについてお困りの際はぜひお気軽にお問合せ下さい。
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